イントロダクション

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前口上

2022/1/4

「あんたが一番苦手なのは、やめること。」 当時のワタシ、多分20代前半。 11歳で初めて舞台に立って以来、執念深く演劇を続ける私に、母が言った言葉です。 彼女の言葉通り、30代になったいまも私は「女優」をやめることなく、 場所も立場もわきまえず、演劇への愛を振りかざし続けています。
そんな私が2022年を迎える直前、懇意にしていた演出家に何気なく、 「君もちゃんとご両親に愛されてきたんだと思うよ」 と言われ、なんだか色々考えました。 「自分は両親に愛されなかった」そう思っていたかもしれない、心の中の小さな自分のこと。(そんなわけないのに)
で、記録をのこしていこうと思いました。 家族のこと、私の大切な弟のこと、ノンストップな私の脳内劇場のこと、演劇のこと、「性」のこと。 半分メルマガ、半分ブログのような。 たぶん不定期にはなりますが、ここに綴ったことが、 誰かの肩の力をふっと抜く何か、になったらいいなと、(恐れ多くも)高い目標を掲げています。
さて、自己紹介もなく初めてしまいました。
わたし、「万里紗」と申します。マリサ。 職業は女優。※ ほかに、翻訳をしたり、自分で書いた芝居の企画・演出などもしています。
私の3つ下の弟は、ジンくんと言って、 (弟のことなのになぜわざわざ、という声が聞こえてきそうですが、これを抜くと私のことが語れない)彼はダウン症という「知的障害」を持っています。
ありがたいことに、私とジンくんはとても仲良く育ちました。 もちろん、喧嘩もしますし、互いを心底憎らしく思うこともありますが、 それでも彼という存在が人生に居てくれたことを、深く深く、有難く思っています。
ジンくんが生まれたばかりのころ、もう90年代になっていましたが それでもまだ知的障害児への偏見は強く、 「20歳まで生きられないだろう」という言葉をぶつけられたことが何度もありました。
「可哀想」というメッセージを、メディアから受け取ったことも。 (”善意”で作られたはずのものが、誰かを傷つけることもあるんだなと知る体験でした。)
そういう社会で、私の母は、 それこそ死にもの狂いでジンくんを守ってきて 今や彼も、ぼちぼち30代突入という立派な青年。
時折とんでもないことをしでかしたり、なかなか味わい深いクセのあるジンくん※ですが、 母の努力、そして地域の方や、お友達、福祉事業所の方々の尽力のおかげで 元気に生きている。20歳なんてトウに越したよ、とあの人たちに言ってやりたいです。
この年末年始、久しぶりに会った彼は、 好きな曲の歌詞を書き写したノートを、後生大事に枕元に置いて眠っていました。
か、かわいいのう。
私にとって、ちょっと傲慢なことだけど、多分演劇をやるモチベーションの多くを彼からもらっています。 でもそれだけでは向き合いきれない、沢山の主題が演劇の世界にはいっぱいあって、ここにちょっとずつ私自身のことを綴ることで、私も何かを発見していけたらいいなと思っています。
そんなわけでここでは、わたしのこと、演劇のこと、家族のこと。 時に、短いシーンの習作や、性のこと。 三日坊主にならないように不定期に綴っていきたいと思っています。
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ではでは、 お引き立てのほど、どうぞよろしくお願い申し上げます♡
万里紗

※女優、役者、俳優、名乗り方は色々ありますが、このダイバーシティの時代に「女優」と名乗りたくなってしまう自分がいます。その理由は、いずれまた。 ※ジンくんの味わい深いクセのことも、少しずつ紹介していこうと思います。

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